グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



トップページ >  クリニック通信 >  [Vol.2]「叱られないかなあ…」

[Vol.2]「叱られないかなあ…」


「叱られるかと思っていました…」
気管支喘息は慢性的な気道炎症に基づく病気であるため、自覚症状が無くなっても気道の炎症に対する長期間の治療が必要です。
一方、症状が無くなると「もう治っちゃった!苦しくなくなったから大丈夫」「薬を続けるのは面倒だな。やめちゃおうかな」こんな風に考えて、治療や通院を中断される方も少なくありません。
しかし、患者さん自身で感じている症状は、いわゆる「氷山の一角」であり、水面下にある気道過敏性(気道が冷気・ほこり・アレルゲン等に過剰に反応する)や気道炎症(気道の表面が肌荒れを起こしたような状態)に対して、吸入ステロイド薬を主体とした治療を続けることが重要です。

自覚症状(せき、たん、息切れなど)が無くなると、どうしても「治療をやめたい」という気持ちがどなたにも芽生えます。そして、治療を中断してもすぐには悪くならないこともあるため、「試しに治療を止めたけど、苦しくならないからもう大丈夫」と思いがちです。しかし、治療が中断されたことによって、気道の炎症および気道の過敏性は徐々に悪化していくため、カゼをひいた後、天候・気候の変化、運動、アレルゲン(ダニ、花粉、動物のフケ)の暴露があると、一気に病状が悪化して、重い喘息発作がでてしまいます。

「あっ発作がでちゃった、あれ発作止めの吸入薬がもう無い!」
「病院にいかなくちゃ…でも自分で通院やめちゃったし、叱られそうだな、いやだなあ」
そんな風に受診をしようかどうかと悩まれたことはありませんか?

自分がまだ経験の浅い頃に担当していた患者さんのこんなエピソードがありました。その患者さんは小さい頃に喘息を発症し、発作のためにしばしば救急外来を受診するようなコントロールが不良な状態でした。一方、新たな仕事に就かれて間もない頃だったため、仕事を優先しがちで、受診が不定期になっていました。

ある日のこと、出先で夜中に喘息発作が出たため、近くの救急病院を受診しました。気管支拡張剤の吸入とステロイドの点滴治療を受けることになりましたが、担当医師と看護師から「あなたがキチンと通院していないから、こんな事になるんですよ、仕事と体とどっちが大事なの?」と延々と叱られたそうです。

後日、自分の外来を受診された時にその時の出来事を話してくれました。「自分だってちゃんと通院していなかったから発作が出たことはわかっていました。でも、自分は苦しくて、早く楽にしてほしいと思って、不安はありましたが、普段通っていない病院を思い切って受診しました。説教をされるために行ったわけではなかったのに…」と。
その時自分は思いました。普段の外来で自分は患者さんに対して、不定期な受診や薬の飲み忘れを責めるような態度をとっていなかったかと。
喘息発作のための辛い症状や不安をを少しでも早く取り除くことが一番大切なことだと。

「あっ今晩発作が出そうだな」
「明日は仕事が忙しくなりそうだけど、発作がでないか心配…」困った時こそ、相談してください。

「叱られるかもしれない…」なんて思わないでください。そんな時にあなたをサポートするのが私達の役割ですから。

静岡県浜松市中央区初生町381-2 交通アクセス
電話:053-430-5111
呼吸器・アレルギー専門クリニックです!
クリニック開院後、10,000人以上の呼吸器(気管支喘息・せき喘息・COPDなど)ならびにアレルギー(花粉症・食物アレルギーなど)の患者さんの診療に携わった経験に基づく「専門的な医療」を提供いたします。