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Home >  これで解決!あなたのギモン >  ぜんそく(喘息) >  調子が良くても治療は続けるの?

調子が良くても治療は続けるの?


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「発作がないから治療は・・・」いいえ、継続は力なり!

何事も「予防」が大事!

最新の喘息治療を受けると、「喘息が治った!」と思えるほど良くなりますが、治療を中断すると、多くの方が元の状態に戻ってしまいます。
つまり、症状を改善させることはできても、完治(完全に治す)させる事は難しいのが喘息治療の現状です。

喘息治療のゴールは「治す」ではなく、喘息の症状をしっかりコントロールすることです。
なーんだ、治らないんだ・・・がっかり
コントロール?、つまり予防ってことね・・・予防ねえ・・・
皆さんも虫歯になった時に「あー、普段からもっとキチンと歯を磨いておけば・・・」と後悔された経験があるかと思います。虫歯になってから歯を磨くのではなく、普段から歯を磨いて予防することが大切なのは、喘息の治療でも一緒です!

日頃から喘息発作を起こさないような準備を怠らない、「備えあれば憂いなし!」ですね


Q ぜんそく治療の目標とは?

A 「治す」ではなく、「ぜんそくのない生活を送る」ことがゴールです

喘息発作はどなたにとっても大変辛いものです。
そこで、
「運動は苦しくなるから止めておこう」
「旅行は心配でとても行けないね」
「からだに負担のかかる仕事はどうも…」
こんな風に、「本当だったらやりたいなあ…」と思うことを喘息のために諦めていませんか?

喘息治療が目指す目標は、次の 4 つです。
  • 喘息発作がない
  • 運動を含めた生活の制限がない
  • 肺の働きが正常
  • 薬の副作用がない

「運動も制限なし」が目標!

これらは、多くの患者さんにとって実現可能な目標です。
■ クイックチェック

■ ACT-2

上記の自己評価ツールで、ご自分の喘息がキチンとコントロールできているかどうかを是非確認して下さい。

あれっ思ったほど自分の喘息はコントロールできていないんだ・・・」と驚かれる方もお見えになると思います。(リンクは別ウィンドウで開きます。)

「喘息だから…」とあきらめないで、喘息を上手にコントロールしていきましょう!


Q 発作時の薬だけじゃダメ?

A その場しのぎだけではダメ、大元にある気道の炎症を改善することが重要です

喘息発作の時には、狭くなった気道を拡げて症状を楽にする吸入薬(速効性のある気管支拡張薬:サルタノールやメプチンエアー)を使います。

サルタノールやメプチンエアーを吸入すると、数分後には気道が拡がって、息苦しさがスーッと楽になるため、「この薬、すごく効くなあ!また苦しくなっても、これさえ吸入すれば大丈夫」と患者さんは思ってしまいます。

しかし、本当にそれ(その場しのぎ)で良いでしょうか?
自分で感じる症状は「氷山の一角」です!

喘息は、気道に慢性的な炎症が生じ、気道が冷気や煙、匂いなどの刺激に敏感に反応しやすくなり、その結果、咳や痰とともに気道が狭くなってゼーゼー、ヒューヒューする息苦しさを自覚する、いわゆる喘息の発作を起こす病気です。
発作の時の症状は、喘息という病気全体から見れば、氷山の一角に過ぎません。その下に隠れている気道の慢性的な炎症を見過ごすと発作が繰り返され、喘息自体が重症化していきます。そして、発作が一度起きると、その度に気道の炎症は悪化していきます。

喘息をきちんとコントロールするためには、水面下にある気道の慢性的な炎症をしっかり抑えて、悪循環を断ち切ることが重要です。

発作時の吸入だけじゃダメ!


発作時のサルタノール・メプチンは、「その場しのぎ」にすぎません!
喘息をコントロールするには水面下の気道の炎症を改善させる事が重要です!


Q 一番大切なクスリはなに?

A 気道の炎症の改善する吸入ステロイド薬が最も重要な薬です

喘息という病気の根底は、好酸球による気道の炎症です。
そこで、この気道の好酸球による炎症をキチンとコントロールするために、最も重要な薬が吸入ステロイド薬です。

「ステロイドって、あの怖いクスリでしょう…」
副作用が多いって聞いているけど大丈夫なの?」
と敬遠される方も多いかと思います。

以前から、テレビ等で、「ステロイド=危険な薬」との誤った情報が、少なからず発信され、「絶対使っちゃダメ、大変なことになりますよ!」と脅すような内容が少なからず報道されています。

確かに、ステロイドは、長期間に渡り、ある一定以上の量を内服(飲み薬)すると、高血圧、糖尿病、高脂血症、骨粗鬆症、易感染性等の各種の副作用があります。

しかし、喘息の治療で用いる吸入ステロイド薬は、内服薬に比べて極めて少ない量(内服薬の100分の1程度)のため、長期間続けても副作用は殆ど認められないことが、40年以上にわたる吸入ステロイド薬の歴史において証明されています。

吸入ステロイド薬には色々な種類があり、効果の強弱、薬の粒の大きさ、価格、吸入器具にもパウダー(細かい粉状)・スプレー(細かい霧状)などがあり、「自分にはこれが一番あっている!」と思えるような薬剤の選択ができるようにもなっています。

各種の吸入ステロイド薬

パルミコート

アズマネックス

フルタイド

キュバール

オルベスコ

炎症を消し止める薬が重要!


吸入ステロイド薬が喘息治療の基本です!自分に適した吸入ステロイド薬を続けましょう!

【院長コラム】吸入ステロイド薬の(暗黒の?)歴史

吸入ステロイド薬の歴史は古く、1978年に「ベコタイド」と「アルデシン」という商品名で発売されました。しかし、速効性の気管支拡張薬の「サルタノール」のように「あースーッと、息苦しいのが楽になった。この薬は効くなあ!」といった実感が無く、吸入した時の違和感(患者さんからは、「なんかクサイ…」「ニガい!」とかなり不評でした)が強かったため、患者さんは「この薬は効かないよ~、続けたくない!」と感じ、全く普及しませんでした。

また同じ頃、ニュージーランドから、「ベロテック(速効性の吸入気管支拡張薬)の販売量が増えると、喘息で死亡する患者さんの数が増えていく事」を検証したデータが報告され、「吸入薬は全て危険!」的な誤解を生じ、吸入ステロイド薬の普及は更に妨げられてしまいました(現在では、気管支拡張薬だけで喘息治療を行っていたことが喘息死の増加の真の原因であると判明しています)。

一方、欧米諸国では、吸入ステロイド薬を積極的に喘息治療に導入することにより、喘息のコントロールが劇的に改善される事が報告されていました。その当時、北欧の病院を訪問した 孝英先生(京都大学名誉教授)が「喘息で入院している患者さんが大変少ないようですが?」と現地の医師に質問した際、「吸入ステロイド薬が普及してから、喘息発作で入院する患者さんは殆どいなくなりましたよ」との回答を受け、吸入ステロイド薬が喘息治療に非常に有効であることを目の当たりにしました。

また、石原享介先生(前神戸市立医療センター西市民病院院長)は、欧米諸国の報告を基に、吸入ステロイド薬を患者さんに積極的に導入することにより、神戸市における喘息発作による救急搬送の件数が激減したことを当時の学会で発表されました。

このお二人の先生方を中心とした啓蒙活動の結果、吸入ステロイド薬が呼吸器専門医の間に広く普及し、喘息治療薬の主役を担う時代を迎えました。その後も多くの研究や臨床成績を元に、「吸入ステロイド薬が喘息治療の第一選択薬」の役割を担っている事は今も全く変わっていません。

私自身も静岡県内の各病院で、「こんなに良く効く薬が喘息にもあったんですね!」と吸入ステロイド薬の効果を実感された多くの患者さんと出会うことができました。しかし、その度に「喘息患者さんは、これまで本当に辛い日々を過ごされていたのだなあ…」と改めて実感した事が昨日のことのように思い出されます。


Q 「合剤」ってなに?

A 吸入ステロイド薬+気管支拡張薬の一石二鳥のクスリです

吸入ステロイドが発売当初普及しなかった大きな理由は、「速効性」(良くなった)が実感できないことでした。
一方、気管支拡張薬は、吸入した数分後には、狭くなった気道を拡げる「速効性」を備えていますが、気道の炎症には全く無効です。そのため「その場をしのぐ」事はできますが、水面下にある気道の炎症は徐々に悪化していきます。

✖ 吸入ステロイド薬=速効性が実感できない
✖ 気管支拡張薬=気道の炎症を改善できない
そこで、両薬剤を組み合わせた合剤が開発されました。
気道の炎症を改善させる吸入ステロイド薬+気道を拡げる気管支拡張薬という「一石二鳥」の薬剤です。
また、この「合剤」に含まれている気管支拡張薬は、一回吸入すると12時間~24時間効果が持続する「長時間作用性気管支拡張薬」となっています。

現在、この合剤には右の種類があります。
それぞれに利点がありますので、あたなにジャストフィットの合剤を医師と相談して下さい!

各種合剤の吸入方法 - 動画(リンクは別ウィンドウで開きます)

4種類の合剤

レルベア

アドエア

シムビコート

フルティフォーム

炎症を抑えて気道を広げる
これぞ「一石二鳥」


「実際、ホントによく効きます!」喘息治療の主役ですね


Q 飲み薬は無いの?

A 喘息と花粉症に有効な「飲む薬」の抗ロイコトリエン薬があります

吸入ステロイド薬は、有効性・安全性の高い薬ですが、「それでもステロイドは何となく心配」「うまく吸入できない」「声が枯れる」等、吸入ステロイド薬が適さない患者さんもお見えになります。

また、吸入ステロイド薬の治療を受けている喘息患者さんの中で、「喘息は良くなったけど鼻の調子が悪い」と感じておられる方も少なくありません(日本の喘息患者さんを対象とした調査結果では、約6割が花粉症(アレルギー性鼻炎)を合併していました)。

喘息の病態が研究される中、「ロイコトリエン」と呼ばれる化学物質が喘息と強く関連していることが発見され、このロイコトリエンを抑制する「抗ロイコトリエン薬」が開発され、花粉症にも有効であることが併せて判明ました。

現在、「抗ロイコトリエン薬」は、喘息+花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療が一剤で可能な「一石二鳥」の薬として、多くの喘息患者さんがその効果を実感しています。

オノン


シングレア

キプレス

【院長コラム】抗ロイコトリエンこぼれ話

抗ロイコトリエン薬は、小野薬品が世界に先駆けて「オノン」(小野薬品が天塩のかけて開発した薬剤で、その商品名として「オノン」と命名したと言われています)を市場に出しました。「日本人は飲み薬に対する信頼感が高く(?)」、吸入ステロイド薬に比べて瞬く間に普及しました。また、吸入ステロイド薬に必要な吸入指導が不要なこともその普及を後押しした一因でした。

その後、世界有数の製薬メーカーのメルク社から、「シングレア」と呼ばれている第二の抗ロイコトリエン薬が市場に投入されました。オノンが1日2回・朝晩・服用に対して、「シングレア」は1日1回・晩のみ・服用と優位性を持っていました(「シングレア」は一日一回服用の特徴をアピールするためのsingle(シングル)から由来して「シングレア」と命名されています。また、日本では提携製薬企業の杏林製薬(株)より、「キプレス」という商品名で市販されています。一見奇妙な商品名ですが、喘息の病態に重要な役割を持つ「ロイコトリエン」、つまりkey(鍵)となるロイコトリエンをpress(抑える)を結びつけて、key press→キプレスと命名されています)。

では、「吸入ステロイド薬」と「抗ロイコトリエン薬」は、どちらの有用性が高いのか、つまり「どちらが喘息により効くのか?」が数多く研究されてきました。その結果は大変注目されたましたが、「ほぼ全ての研究において吸入ステロイド薬に軍配が上がり、安全性は同等」となっています。これらの結果を踏まえて、最新の喘息ガイドライン(治療指針)においても、喘息に対する第一選択薬は、「吸入ステロイド薬」となっています。

※抗ロイコトリエン薬は「薬価が高い」ことが処方上のネックとなっていました。「先生、この間のクスリ、高いですねえ…これからもあのクスリ続けるんですか?」と質問されることも少なくありませんでしたが、現在はオノン、シングレア・キプレスともにジェネリックが登場し、患者さんの負担がかなり軽減されています(ホッ・・・)。

Q 抗体療法ってなに?

A アレルギー反応を起こす原因のIgEを取り除く画期的な治療法です

「吸入ステロイド薬」と「長時間作用性気管支拡張薬」の合剤、および「抗ロイコトリエン薬」などの治療を受けても十分なコントロールが達成できない喘息患者さんが10人に1人の割合でお見えになります。

アレルギーの関連した病気は、アレルギー起こす原因物質(アレルゲン)が体内に入ってきて、身体がアレルゲンに対して過剰に反応するわけですが、そのアレルゲンと反応するのが「IgE」と呼ばれる物質(抗体)です。そこで、この「IgE」を体内から除いてしまう治療が「抗IgE抗体療法」です。

合剤+抗ロイコトリエン薬でもコントロールが悪かった患者さんが「抗IgE薬」(商品名: ゾレア)により劇的に改善する場合があります!

問題点としては、2~4週間に1回の外来での注射が必要なこと、重症の喘息患者さんのみが対象な事、ならびに医療費が大変高額であることです。

ゾレア:抗IgE抗体療法


抗IgE抗体がアレルギー反応を抑制する仕組み - 動画(リンクは別ウィンドウで開きます)

抗IgE療法は、これまでの治療薬で効果が不十分な患者さんへの効果が期待できる治療法です!


Q 自分に必要な治療はどれ?

A あなたの喘息の状態にあわせて必要な薬が決まります

ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4
環境の調整(禁煙・清掃・ストレス解消など)
医師の判断・患者さんの
希望に合わせていずれかを選択
吸入ステロイド
(低用量)
レルベア
シムビコート
アドエア
フルティフォーム

(低用量)
レルベア
シムビコート
アドエア
フルティフォーム

(中~高用量)
ステロイド
(内服)
オノン
シングレア
キプレス
吸入ステロイド
(中用量)
上記+
オノン
シングレア・キレプス
ゾレア
- 吸入ステロイド+
オノン
シングレア・キプレス
上記+テオフィリン -
- 吸入ステロイド+
テオフィリン
- -
上記の4剤の内のいずれかで治療を開始するのが最も早く症状を取り除き、気道の炎症を改善します。
アレルギー性鼻炎(花粉症)を合併している場合には、
  • ステロイド点鼻薬
  • 抗ロイコトリエン薬
  • 抗ヒスタミン薬
上記の内、1剤、あるいは2剤を併用する場合もあります。

ご自分の病気の状態に併せた治療内容を医師と相談しながら決めましょう!

コントロールが安定した場合
治療を開始あるいは継続している中で、
  • 自覚症状
  • 診察
  • 肺機能検査あるいはピークフローの結果
  • ACT-2あるいはクイックチェックが満点
  • 呼気中一酸化窒素の値

以上の結果が少なくとも3ヶ月以上安定した場合、「喘息のコントロールが安定」していると判断します。
「まずは、どの薬を減らすことが可能か?」を検討します。
コントロールが悪化した場合
  • 喘息のために睡眠・仕事・学業に悪影響が出る
  • サルタノール・メプチンの吸入回数が増える
  • 肺機能検査・ピークフローの低下
  • 呼気中一酸化窒素の悪化
  • ACT-2あるいはクイックチェックの点数が下がる

以上のいずれかを認める場合には、治療内容を強化します。具体的には、吸入ステロイド薬の増量、抗ロイコトリエン薬の追加、場合によっては内服薬のステロイドであるプレドニンを4錠~6錠、5日間程度服用します。


Q 古くて新しい「抗コリン薬」?

A スピリーバは、これまでの気管支拡張薬と同等の効果を有することが判明!

気道にも自律神経が通っています。
そのうち
  • 交感神経 → 気管支を拡げる
  • 副交感神経 → 気管支を狭くする
以上の2つの神経のバランスにより気道は一定の拡がりを保っています。

自動車で言えば、交感神経は「アクセル」、副交感神経は「ブレーキ」の役割を担います。

■ 交感神経は昼間に働いて、活動に必要な酸素を体に取り入れるために、気管支を拡げます(アクセルを踏む)。
■ 副交感神経は夜間に働いて、体を休めて酸素の取り入れを抑えるために、気道を狭くしてます(ブレーキを踏む)。

このように、人の体は、活動と休息を交互に取りながら、バランスを保っています。

スピリーバ
(副交感神経を抑制する吸入薬)

交感神経はアクセル
副交感神経はブレーキ

そこで、気道を拡げる薬としては
  • 交感神経を刺激する(アクセルを踏むタイプ)β刺激薬
  • 副交感神経を抑制する(ブレーキを離すタイプ)抗コリン薬
上記の2つがあります。

現在、喘息を長期間安定した状態に保つ治療法としては、吸入ステロイド薬+β刺激薬が主流となっています。
そこで、喘息患者さんを対象として
吸入ステロイド薬+抗コリン薬 VS 吸入ステロイド薬+β刺激薬(現在の標準治療薬)
上記の2つの治療法を比べた結果、同じくらいの効果であることがわかりました。

つまり、喘息コントロールの基本的な治療薬である吸入ステロイド薬のパートナーとして、β刺激薬だけではなく、抗コリン薬と組み合わせることが選択可能となったわけです。

なお、現状では吸入ステロイド薬と抗コリン薬が一緒ににできる剤形(合剤)が無いため、吸入ステロイド薬と「スピリーバ」をそれぞれ吸入しなくてはならない不便さがあります。

吸入ステロイド薬+抗コリン薬は、吸入ステロイド薬+β刺激薬と同等の効果が期待できます!

【院長コラム】抗コリン薬の思い出

今から40年程前の1975年には、抗コリン薬(ブレーキを緩めることで気道を拡張させるような副交感神経抑制薬)の「アトロベント」が既に発売されていました。しかし、喘息発作に対する標準治療薬のβ刺激薬(交感神経刺激薬)「サルタノール」に比べると、気道を拡げるまでに時間がかかる、気道を拡げる効果が劣る、添加剤に臭素が含まれていたため独特の苦味や咳を誘発しやすい等、「サルタノール」と比べると明らかに劣っていたため、全く普及せず、喘息治療薬としては長年忘れさられていました。

しかし、喘息発作に対してβ刺激薬の効果が不十分な時(いわゆる重い発作の場合)に、「β刺激薬に抗コリン薬を追加吸入すると気道が拡がる可能性があること」が欧米で報告されました。そこで、自分もβ刺激薬だけでは効果が不十分な喘息発作の患者さんを度々経験していたため、喘息発作の患者さんに、「サルタノール」に抗コリン薬の「テルシガン」をした追加した場合の治療効果を検討してみました。その結果、喘息の発作時に「テルシガン」を追加吸入すると、「サルタノール」単独吸入に比べて気管支がより拡がることを確認しました(詳しい内容は、論文に掲載されています)。現在、喘息治療のガイドライン(治療指針)は、β刺激薬で効果が不十分な喘息発作に対しては抗コリン薬を追加する事を推奨しています。

その後、抗コリン薬は「アトロベント」→「テルシガン」→「スピリーバ」と研究開発が進み、現在では「スピリーバ」が、「COPD(慢性閉塞性肺疾患:慢性気管支炎+肺気腫)の第一選択薬」として世界的に普及しています。そして、この抗コリン薬の「スピリーバ」は、β刺激薬と遜色のない「喘息をコントロールする効果」を持っていることがわかってきました。

吸入ステロイド薬とβ刺激薬の合剤(レルベア・シムビコート等)で喘息を十分コントロール出来ない方、手の震え・動悸(胸のドキドキ)などのβ刺激薬特有の副作用を自覚しやすい方、COPDの要素を持った喘息の患者さんでは、「スピリーバ」の追加効果が期待されています。


もっと知りたい【ぜんそく(喘息)】について



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