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ゼンソクってなに?


ゼンソクは、実はこんな病気だったんです

  • 好酸球による気道の慢性炎症
  • ヒューヒューと胸の中で音が聞こえる喘鳴(ぜんめい)
  • 深夜〜早朝に咳・息苦しくなる
  • 大人になってからの発病が60%
  • カゼ・天候の変化・運動が3大悪化原因
  • 問診・呼吸機能検査・呼気中一酸化窒素で診断
  • 大人で治る(寛解)のは10人に1人


Q 肺ってどんな仕組みなの?

A 気道(気管+気管支)+肺胞=肺

咳の原因を探る!肺の構造と呼吸のしくみ

咳が出る原因を理解するには、まず肺の構造と呼吸のしくみを知ることが大切です

  • ノドからつながる空気の通り道は、気管(きかん)と呼ばれる一本の管です。
  • 気管は途中で左右に別れ、気管支(きかんし)と呼ばれる枝分かれした管になります
  • 気管支はさらに上・中・下の3つに分けられ、徐々に細くなります(木を逆さまにしたような形)
  • 細くなった気管支の先端には、非常に小さな風船状の肺胞(はいほう)と呼ばれる組織がびっしりと付いています
  • 肺胞は、左右合わせて約3~4億個あります
  • 息を吸うと、鼻や口から入った空気は気管、気管支、細い気管支を通って肺胞に到達し、肺胞が膨らみます
  • 息を吐く時は、肺胞が縮み、細い気管支、気管支、気管を通って鼻や口から吐き出されます
  • 肺胞では、体に必要な酸素と体から発生した不必要な二酸化炭素の交換が行われています

この酸素の二酸化炭素の交換によって、私たちは生きていくためのエネルギーを得ることができます。

肺の構造

肺胞の構造とガス交換



Q 気道はどうなっているの?

A 上皮細胞(表面を覆う)と腺細胞(潤いを与える)

気道の見えない働き者!線毛と上皮細胞

  • 気道の内側には、肌で言えば産毛(うぶげ)のような線毛(せんもう)と呼ばれる非常に細い構造がたくさん生えています
  • 線毛は、外から入ってきた異物やばい菌、余分な粘液を喉元に押し上げるような運動を繰り返しています
  • 気道の表面は、線毛が生えている上皮細胞(じょうひさいぼう)と、粘液(涙や唾液のような液体)を分泌する腺細胞(せんさいぼう)の2種類で構成されています


腺細胞から分泌される粘液は、気道に潤いを与え、異物やばい菌を絡め取る役割も担っています

気道の粘膜の構造



Q ゼンソクの人の気道は?

A 炎症を起こして、過敏に反応する

喘息患者さんの気道:慢性炎症と過敏性

喘息患者さんの気道は、たとえ症状がなくても慢性的な炎症(えんしょう)が起こっています
皮膚に例えると、表面を擦りむいたような状態、あるいは肌荒れを起こしたような状態です

炎症を起こしている気道は、ほこりや動物のフケなどのアレルゲン、冷たい空気、タバコの煙、過労やストレスなど、様々な刺激に敏感に反応します
これらの刺激に過剰に反応することで、咳、痰、喘息に特徴的なゼーゼー、ヒューヒュー胸の中で音がする喘鳴(ぜんめい)の症状が現れます

気道が様々な刺激に過剰に反応しやすい状態を気道過敏性(きどうかびんせい)と呼びます

気道の炎症と過敏性が発作を誘発する

Q なぜヒューヒューするの?

A 気道のむくみ・筋肉が縮んで、気道が狭くなるから

気管支喘息発作のメカニズム:気道狭窄と喘鳴

気管支喘息の発作時には、以下の2つの変化が起こります

1. 気道の炎症が強くなる

2. 気道平滑筋が縮む


喘息の発作時には、気道の炎症が悪化することにより、以下のような変化が起こります
  • 気道の壁が浮腫(むくむ)
  • 気道の内側に分泌される粘液が増える
  • 気道の拡がり具合を調節している周囲の筋肉(平滑筋)が縮む

これらの変化により、気道が狭くなります

気道が狭くなると、空気の流れに乱れが生じ、ヒューヒューと胸の中で音が発生する喘鳴が発生します

※なお、咳が続けて出ること・痰がのど元に絡む状態を「ゼコゼコする」という表現をされる患者さんが時々お見えになりますが、これは喘鳴ではありません

Q 喘鳴が無くても喘息なの?

A 気道が60%まで狭くなるとヒューヒュー

喘息:ヒューヒュー・ゼーゼーの原因と診断

1. 喘鳴の特徴
喘鳴(ぜんめい)は、喘息に特徴的な症状である、ヒューヒュー・ゼーゼーとした音のする息苦しさです
しかし、喘鳴は気道が通常の6割まで狭くならないと発生しません
また、主に息を吐く時に喘鳴は発生します

2. 喘息の夜間悪化と診断の難しさ
喘息は夜間・早朝に悪化することが多いため、症状の落ち着いた日中は喘鳴がないことがほとんどです
そのため、患者さん自身が「昨日はゼーゼー息苦しかった…喘息ですか?」と尋ねても、「今は音はしていないね…喘鳴が聞こえないと喘息の診断は難しいんですよねえ」と医師に回答されてガッカリされた経験のある方が少なくないのが現状です

3. 喘息診断の重要性
このような状況を防ぐためにも、喘息の診断には、詳しい問診と専門的な検査が必要となります

Q 夜苦しくなるのはなぜ?

A 気道が狭くなる・アレルギー反応が起きやすい

なぜ夜になると喘息が悪化するのか?4つの理由

「昼間は良いんだけど…夜になると調子悪い」
「昨日の夜もセキをしていたけど大丈夫って(家族に)言われた…」

これらの訴えの通り、喘息は夜になると悪化する傾向があります

その理由は、主に以下の4つが考えられます。

1. 交感神経と副交感神経のバランス
活動する昼間は、体に十分な酸素を取り入れるために、交感神経(アクセル)が働いて気道は拡がります
一方、夜間は、体を休めるために、副交感神経(ブレーキ)が働いて気道は狭くなります

2. 気道の炎症
気道は、昼間に比べて夜(深夜~早朝)になると炎症が強くなり、以下の変化が起こります
① 気道の表面が腫れる② 分泌物が増える③ 気道周囲の筋肉が縮む
これらの変化により、気道が狭くなり、喘息症状が悪化します

3. アレルゲンの暴露
ダニ(いわゆるハウスダストの主要因子)にアレルギーを持っている方は、布団や枕についているダニ(死骸やフンを含む)を吸い込んで喘息発作が誘発されます(1~2週間に一回程度、掃除機をかけて、ダニを減らすことが重要です)

4. 鼻閉(びへい)後鼻漏(こうびろう)
夜間には、姿勢の変化によって、鼻の通りが狭くなる(鼻閉)、あるいは、鼻水がのど元に流れ込む・垂れ込み(後鼻漏)やすくなります
その結果、口呼吸になり、乾燥した空気やアレルゲンを吸い込みやすい鼻水がのどを刺激して、咳が出やすくなります

自律神経

気道の炎症

ダニ
(布団・枕)

後鼻漏
鼻閉・口呼吸

Q どうやって診断するの?

A ①問診 ②レントゲン ③肺機能 ④呼気中一酸化窒素

喘息の正確な診断:4つのポイント

喘息を正確に診断するためには、以下の4つの項目が重要です

1.喘息に特徴的な症状を問診
喘息は、咳・痰・喘鳴(ヒューヒュー)を伴った息苦しさが症状の特徴です
昼間に症状が軽くなりますが、深夜~早朝に悪化します
(ご自分は寝ていて、ご家族から咳や喘鳴を指摘されることもあります)
※カゼの後遺症、結核、肺癌、心不全などでも同じような症状が起きるため、詳しい問診が重要です

2.胸のレントゲン写真
喘息では、胸のレントゲンに異常はありません
レントゲンで異常がある場合には、喘息以外の病気を疑います(なお、「レントゲンに異常がない」と判定するには、呼吸器・心臓の病気に関する専門的な知識が必要です)

3.呼吸機能検査
呼吸機能検査は、①空気を十分に吸い込めるか②吸い込んだ空気を速く吐き出せるかを測定します
喘息では、息を吐く時に気道が狭くなるため、②の空気を吐き出すスピードが低下します
喘息以外にも、息を吐く時に気道が狭くなる病気として、タバコが原因のCOPD(肺気腫・慢性気管支炎)があります

4. 呼気中一酸化窒素
喘息は、症状がないときにも気道に炎症が起きています
炎症が気道に起きると、気道の表面から作られる一酸化窒素(いっさんかちっそ)が増えます
一酸化窒素を測定することにより、喘息に特徴的な気道の炎症を診断します

問診

レントゲン写真

肺機能検査

呼気中一酸化窒素



Q どんな時に悪くなるの?

A カゼ、気候の変わり目、運動が3大原因

カゼと喘息発作の関係
カゼをひいた初日に喘息が悪化する方は2割、2~3日後に喘息が悪化する方が5割以上でした
カゼのウイルスが気道に感染してから、2~3日後に炎症がピークになります
その結果、カゼを引いた初日より2~3日後の方が喘息発作が起きやすいことになります

カゼ予防の重要性
カゼによる喘息発作は重く・長引きやすいため、カゼの予防が重要です
  • マスクを着用する
  • 手洗いを心がける
  • 十分な睡眠と休息を取る
  • バランスの良い食事を心がける
  • 禁煙する(喫煙している方)
喘息発作の誘因:日常生活における様々な原因

1. カゼ以外の主な悪化の原因
  • 天候・気候の変化(気圧・寒暖差)
  • 運動
  • アレルギーの原因(ホコリ・動物のフケ・カビ)
  • 煙(タバコ、線香、花火)
  • 臭い(香水・柔軟剤)
  • 過労・ストレス
  • 笑う・泣く

2. 食品・薬
  • 食品:ソバ・ピーナッツ・クルミ・魚(アニサキス)・モモなど
  • 酒(アルコール類全般)
  • 薬:痛み止め・解熱剤(坐薬・注射・内服・貼り薬・目薬)

3. 女性特有の誘因
女性の喘息患者さんの2~3割に、生理の前後に喘息が悪化する傾向があります



Q 子供の病気じゃないの?

A 6割は大人になってから

喘息は子どもの病気と思われている方が多いのではないでしょうか?
「あなたの喘息が初めて起きたのはいつですか?」と質問した結果、
  • ~19歳:4割
  • 成人(20~44歳):3割
  • 中高年(45歳以上):3割
成人と中高年を併せると6割、つまり、半数以上が、大人になってから初めて喘息を発症していました
特に中高年になってから喘息になる方が増加しています。
「この頃、カゼが長引くようになった..歳のせいかなあ?」

いいえ、その長引くカゼは喘息かもしれません!

喘息が発症した年齢調査




Q 喘息は「遺伝」しますか?

A アレルギーを起こしやすい体質が遺伝

喘息は遺伝するの?

喘息は遺伝するのではないか?と心配されている方が多いみえられます
最近の研究の結果、喘息が遺伝するのではなく、アレルギーを起こしやすい体質が遺伝すると考えられています

当クリニックの調査ではご家族に喘息の方がいる割合は5割でした
アレルギーをおこしやすい体質が遺伝しても、必ず喘息を発症するわけではありません
喘息の発症には、環境・生活習慣・喫煙などが影響すると考えられています
なお、若い女性の喘息患者さんは、「自分の喘息が子どもに遺伝するのでは?」と心配される方が比較的多く見えますが、当クリニックでは次のように説明しています。

「体質以外の影響も結構あります。お子さんの体質への影響は、お母さんとお父さんの影響はほとんど一緒です」

ご家族のどなたが喘息ですか?



Q 治りますか?

A 「治る可能性」はあります

本日の診察で、心配な点はありますか?」と診察終了時に喘息の患者さんに質問すると「治りますか?」というご質問が最も多く聞かれます
「私の病気はゼンソクなんですね…結構ショック」
「治るんですよね?まさか一生お付き合いじゃないですよね?」

最近研究では、大人になってから発症した喘息患者さんの6人~10人に1人が寛解(かんかい:通院や治療の必要性がない状況)していたことが報告されています
一方、喫煙されているいる方・気道が敏感に反応しやすい体質・鼻茸(はなたけ、鼻の中のポリープ)がある喘息患者さんは、寛解しないことが判明しています
「大人の喘息は治らない」と長年言われていましたが、適切な治療の継続・禁煙することで、寛解に至る可能性があります
喘息の治療は、患者さん一人ひとりの状態に合わせて行われます
寛解の可能性や治療について、不安な点があれば、医師に相談することをおすすめします

喘息が治らない理由と今後の見通し


喘息が起きる原因は、体質+α(未だ解明されていない要因)と考えられています。また、風邪・インフルエンザ、アレルギー物質の暴露(ホコリ・花粉・動物のフケ)、環境(黄砂・PM2.5、タバコ煙)、気候・天候の変化、運動、過労、ストレスなど、喘息を悪化させる原因が身の回りにはたくさんあります。

このように、簡単には変えられない体質と、避けられない多くの喘息を悪化させる原因が身の周りにあることが、喘息を治すことが難しい原因と考えられています。
一方、喘息と同じアレルギーの病気であるスギ花粉症に対する舌下免疫療法(スギの花粉に対して、過剰に反応しやすい体質を改善させる治療法)では、3割の方が、花粉症に対する薬が無くても症状がほとんど出ない、4割の方が薬を減らせる、つまり、両者を併せた7割以上の方が、舌下免疫療法の効果を実感されており、花粉症を治すことを目標とした治療法として大変注目されています。

また、気管支喘息では、アレルギー反応を起こすIgEという抗体や気道の炎症を起こす好酸球に対する新薬が次々と開発され、これまでコントロールができなかった重い喘息患者さんに見違えるような効果が得られています。

「どうして喘息を根本的に治すことができないのか?」は、日夜精力的に研究され、その解明が確実に進んでいます。


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