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咳喘息の治療:基礎編


吸入ステロイド薬と気管支拡張薬の合剤がベストチョイス!

  • 咳喘息は、好酸球による気道の炎症
  • 気道の炎症を抑える吸入ステロイド
  • 気道の狭窄を改善する気管支拡張薬
  • 吸入ステロイドと気管支拡張薬の合剤がベストチョイス
  • すぐに良くなるが、自己判断による中止はNO!
  • 治療に必要な期間・休薬できるかどうか?は人それぞれ


Q なぜ、咳がでるの?

A 好酸球による気道の炎症が原因

咳喘息を起こしている患者さんの気道は、症状がない時(つまり咳が出ていない時)にも炎症を起こしています

炎症とは、皮膚で例えれば肌荒れを起こしたような状態です。
血液の中には、赤血球、白血球、血小板の3種類の細胞が流れていますが、この内、白血球だけが5種類に別れて、それぞれの役割が異なります。

5種類の白血球の1つが炎症を起こす好酸球です。
好酸球が気道に集まってくると、気道の表面を覆っている細胞がはがれ落ちたり、周囲の細胞を活性化する成分が放出され、気道が色々な刺激に過剰に反応しやすくなって咳が出ます。

そのため、咳喘息の治療は、気道の好酸球による炎症を改善させる治療が主体となります。

白血球は5種類

好酸球による気道の炎症


Q 炎症と咳の関連性は?

A センサーの過剰反応と気道の閉塞

なぜ、好酸球と咳が関連しているのでしょうか?それは、以下の2つの理由からです

①気道の表面のセンサーが過剰に反応する
気道の表面には、皮膚と同じように、痛みや温度を感じる感覚器(センサー)が、びっしりと張り巡らされています。
このセンサーは、体を外界から守るために存在していますが、咳喘息では、このセンサーがむき出しの状態になっています。
その結果、わずかな刺激にも過剰に反応してしいます。気道のセンサーからの刺激が、脳幹(延髄:えんずい)にある咳中枢(せきちゅうすう:コントロールセンター)に伝わり、胸の筋肉や横隔膜が反応して咳が出ます。

②気道の拡がり具合を調節する筋肉が過剰に縮む
気道の周囲は、拡がり具合を調節する筋肉(平滑筋)が巻き付いています。
この筋肉は、活動する日中には緩んで気道を拡げ、体を休める夜は縮んで気道を狭くします(車のアクセルとブレーキの関係と似ています)。
色々な刺激に対して、平滑筋が過敏に反応して縮むと気道が狭くなり、その反応が咳中枢に伝わり、咳が出ます。


Q なぜ今の薬は効かないの?

A 原因の好酸球を抑えられない薬だから

近くのクリニックを受診し治療を受けても咳が止まらないため、当クリニックに受診された患者さんを検討しました。

当クニックの前に受診していたのは、一般の内科が65%、耳鼻咽喉科が35%でした。そこで言われた診断名としては、カゼが36%と最も多く、診断名については、何も言われなかった方も34%もいました。また、殆どの患者さんが、診断に必要な検査を全く受けていませんでした。そして、咳止め・抗生物質・総合のかぜ薬の3種類の組み合わせが、多くの方で処方されていました。

咳止めは効きますか?⇒❌
 咳中枢の働きを抑えますが、咳喘息には殆ど効きません。一方、呼吸の抑制・眠気・フラツキ・吐き気・便秘などの副作用があるため、呼吸器内科では処方しません。
抗生物質は効きますか?⇒❌
 ウィルスが原因のカゼが咳喘息を起こしますが、抗生物質はウィルスには効きません。
総合のかぜ薬は効きますか?⇒❌
 市販されているかぜ薬(医療機関で処方するかぜ薬も同じ)は、熱や痛みを和らげる、せき・たんを軽くする成分を混合したもので、咳喘息には効きません。

Q 好酸球を抑えるためには?

A 吸入ステロイド

咳喘息では、好酸球による気道の炎症が起きています。この気道の炎症を抑えるための重要な薬が吸入ステロイド薬です。

「ステロイド」というと「怖いクスリ・副作用が心配...」と思われる方が多いかと思いますが、吸入する薬の量は飲み薬の100分の1程度と少ないため、長期間吸入しても安全あることが確認されています。
小さいお子さん・妊活中・妊娠中・授乳中の女性、ご高齢の方まで、どなたも安全に吸入できます。

ただし、吸入ステロイドによる治療を開始した場合、①効果が実感できるまでに1週間程度かかる、②気道の収縮は抑えられない、以上の2つの理由から、1番のオススメの薬とはしていません。咳喘息の調子が安定した後に、良い状態を維持するための薬として処方します。

Q 気道の収縮を抑えるのは?

A 気管支拡張薬

咳喘息では、息を吐く時に気道が狭くなって咳がでます。そこで、気管支を広げる気管支拡張薬が咳喘息には有効です。
気管支拡張薬には、次の3種類があります。

  • 吸入薬(サルタノール®・メプチンエアー®)
  • 貼る薬(ホクナリンテープ®)
  • 内服薬(テオドール®など)
  • 吸入薬は効果の実感まで5分、最大の効果が20分と即効性があります。
  • 貼る薬は、吸入薬がうまく使えない方(小児・ご高齢の方など)に適した剤形ですが、即効性はありません。(皮膚がかぶれ易い方は要注意)。
  • テオフィリンは即効性がない、手の震え、動悸、フラツキ等の副作用が出やすいため、お勧めできません。
咳が楽になると、「この薬さえあればOK」と思いがちですが、気道の炎症には全く効果がないため、気管支拡張薬の単独治療は非常に危険です。

Q オススメの薬は何?

A 吸入ステロイドと気管支拡張薬の合剤

咳喘息は、好酸球性による気道の炎症のために、①のど~気道が過敏に反応する、②気道の先端が狭くなる病気です。

ステロイド薬は、①の気道の好酸球による炎症・過敏性を改善しますが、効果が実感できるまで1週間程度の時間がかかります。そのため、「吸入したら咳が良くなった」即効性を感じにくい欠点があります。
気管支拡張薬は、②の狭くなった気道を5分以内に拡げることができるため、「このクスリはよく効く、続けよう!」とすぐに実感できますが、気道の好酸球による炎症に対しては、全く効きません

そこで、好酸球による気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬と気道を拡げる吸入気管支拡張薬を一度に吸入することのできる合剤が、咳喘息の治療薬として理にかなった(一石二鳥!)治療薬ということになります。

Q どうして吸入薬なの?

A 有効性・安全性、実績も十分

詳しい問診、診察、胸部レントゲン写真、呼吸機能検査、呼気中一酸化窒素測定などを実施し、咳喘息と診断した時には、吸入薬が基本となります。
例えば、眼の調子が悪い時を考えてみて下さい。飲み薬ではなく眼薬ですね。
肌の調子が悪い時には、塗り薬が有効です。
そして、気道の調子が悪い(好酸球による気道の炎症)時には、吸入薬がよく効くことになります。

吸入薬は、気道に直接薬が行き渡り、飲み薬に比べて少ない量で有効なため、安全性にも優れています。
※吸入薬はどうも苦手、あまり効かない方には、飲み薬などの選択もありますので、ご安心下さい。

Q いつまで治療するの?

A あなたに適した治療期間を提案します

いつまで続けるの?

咳喘息の患者さんから圧倒的に多い治療に関する質問は以下の2つです。
  • 咳が止まったら(良くなったら)薬は止めても良いですか?
  • いつまで治療は続ければ良いですか?

治療を開始すると咳は速やかに改善します。早い方ですと1回目の吸入した直後から、遅くとも5日以内に「かなり良くなった」と実感され、2〜4週間治療を続けると「もう治った(みたい)、薬はいらない」程度まで改善します。しかし、その時点で薬を止めてしまうと咳喘息が再発する方が少なくありません。また、しばらく咳が出なくても、カゼ、季節の変わり目、過労などからぶり返す方もいます。

そこで、当クリニックでは以下のような治療を提案しています。
  • 咳が出ている間は、治療を継続しましょう。
  • 咳が全く出ない、検査の結果も正常になったら治療の中止も考えましょう。
  • 治療の中断後に、咳喘息が再発したら速やかに受診して治療を再開しましょう。
  • 再発を繰り返す場合は、必要最小限の治療を続けましょう。

Q 結局治るの?治らないの?

A 現状の回答は、治らない

初診の診療終了時に、咳喘息の患者さんから受ける質問としては、「治りますか?、一生のお付き合いじゃないですよね」という点です。

咳喘息が起きる原因は、体質、環境(居住地、家屋など)+αがあります。また、カゼ、アレルギー(ホコリ・花粉・動物のフケ)、環境(黄砂・PM2.5)タバコ煙、におい(香水、芳香剤、線香の煙)、気候・天候の変化、過労、ストレスなど多くの要因により咳喘息は悪化します。

変えられない体質と多くの悪化させる要因が身の周りにあるため、治療により咳喘息のコントロール(症状を無くする事)することは可能ですが、完全に治すことはできないのが現状です。

しかし、最近開発された薬剤(好酸球・アレルギーを起こすIgEと呼ばれるタンパク質を抑える)により、これまでにはなかったような画期的な治療効果が、気管支喘息では既に認められています。
咳喘息の症状はコントロールできても、なぜ再発するのか?どうして治せないのか?」が日々精力的に研究されています。

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