グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



Home >  これで解決!あなたのギモン >  長引くセキ >  知るから始める「セキゼンソク」

知るから始める「セキゼンソク」


このエントリーをはてなブックマークに追加

咳喘息はこんな病気です

  • 長引く咳の原因で1番多いのが咳喘息
  • 咳が唯一の症状、痰は出ない(出てもわずか)
  • ゼーゼー・ヒューヒューする音(喘鳴:ゼンメイ)は無い、あれば気管支喘息
  • 気道の過敏(イガイガ)と気道の収縮が咳喘息の本態
  • 正確な診断には、詳細な問診・診察、レントゲン、呼気中一酸化窒素測定、呼吸機能検査が必須
  • 吸入ステロイド+気管支拡張薬が治療の基本
  • 治療を怠ると3割が「本物の気管支喘息」に進む


Q 「咳喘息」ってどんな病気?

A 症状は咳だけ!痰・ゼーゼー・ヒューヒューは無し

ぜんそくのような「のど・胸元でゼーゼー・ヒューヒュー音がするような息苦しさ(喘鳴:ぜんめい)」はありませんが、ぜんそくと同じく,気道に炎症が起きています.
治療せずに放置していると、典型的なぜんそくになることがあるため,ぜんそくの前段階とも考えられています。

  • 夜間〜早朝
  • 冷たい空気
  • タバコのけむり
  • 会話中
  • 天気の変わり目
  • 運動
  • 緊張したとき
「のどがイガイガ」「咳が出そうだな」と前兆を感じた直後に咳が出ます。

痰(たん)は、ほとんで出ない〜透明・白・淡黄色が1日に数回程度までです(膿(うみ)のような濁った痰はでません)。


Q 「咳喘息」って多いの?

A 長引く咳の原因No.1

第1位 咳喘息
第2位 蓄膿症と関連した病気
第3位 胃食道逆流症
咳喘息が、長引く咳の原因の50%以上で第1位。

  • 副鼻腔気管支症候群(副鼻腔炎:いわゆる蓄膿症と慢性的な気管支の炎症のために咳や痰が続く病気)
  • 胃食道逆流(逆流性食道炎)
  • アトピー咳嗽(太い気道が過敏に反応して咳が出やすい、気道の「じんま疹」アレルギー体質あり)
上記が、それに続く長引く咳の原因でした。

長引く咳の原因として、咳喘息+副鼻腔気管支症候群、あるいは咳喘息+胃食道逆流など、一人の患者さんが複数の「長引く咳」の原因を持っている事が多いこともわかってきています。

長引く咳の原因

新実彰男教授(名市大)のデータより

Q 咳が続くのはナゼ?

A 気道の過剰な反応と収縮が、咳喘息の原因

一般的には、咳が出る原因としては、次の4つがあります。

防御反射の咳
食物や異物が気道に誤って入ってしまった時(誤嚥)、外に吐き出すための正常な防御反応としての咳。
脳卒中、パーキンソン症候群、アルツハイマー型認知症や加齢により、この反射が弱くなる・消失すると誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を起こします。
意識して出す咳
ストレスや過労の時に、意識的に出る「心因性の咳」「習慣性の咳」。
自分では、「咳をしているという自覚の無い」方が多く、寝ている間は、咳が出ないのが特徴。
気道の過敏な反応が原因の咳
のど・気道に「イガイガ感」⇒「咳が出そうな予感」⇒「咳」が発生。
多くの病気としての咳の原因で、ちょっとした温度の変化、ニオイ・煙、感染等が原因で出る咳。
気道が収縮した時に出る咳
気道の拡がり具合を調節する筋肉(気道平滑筋)が収縮すると出る咳。
気管支喘息や咳喘息に特徴的な咳

咳喘息は、③の気道の過敏な反応と④の気道周囲の筋肉の収縮が関連した長引く咳となります。
なお、咳喘息では、「咳反射を統合している脳」も過剰に反応しやすくなっていることが判明しています。
過敏な気道に刺激が加わって出る咳

気道の平滑筋が縮むことが刺激となって出る咳

Q 気管支喘息との違いは?

A ゼーゼー・ヒューヒューする息苦しさがあれば、気管支喘息

のど元・胸元で「ゼーゼー・ヒューヒュー・音が聞こえる息苦しさ」が喘鳴(ぜんめい)です。

咳喘息と気管支喘息は、喘鳴の有無が異なります。
■ 気管支喘息:喘鳴あり
■ 咳喘息:喘鳴なし

気管支喘息では、①気道の壁が浮腫(むくむ)、②気道を潤す痰(たん)が増える、③気道の周囲の筋肉が縮む事によって、気道が所々で狭くなります。その結果、空気の流れに乱れが生じ、喘鳴が発生します。
※ 口の開き具合を調節する口笛と同じ仕組みです。

咳喘息では、咳が出る時に気道の先端(末梢気道)が、狭くなります。しかし、末梢気道は、元々の直径が2mmと細いため、それが更に狭くなっても喘鳴は発生しません。

喘鳴は、気管の「口笛」



Q 「イガイガ」するのはなぜ?

A のど〜気道のセンサーが過剰に反応するためです

のどがイガイガする、どうして?

咳が長引く方では、「のど〜気道がイガイガすると咳が出る」と感じています。

皮膚の表面には、温度・痛みなどを感じるセンサー(受容器)があり、そのセンサーが刺激を受けると、熱い・冷たい、痛い・かゆいと感じます。
のど〜気道の表面にも皮膚と同じようなセンサーがあります。気道の表面のセンサーが、色々な原因で過剰に反応するようになってしまうと「イガイガする」「ヒリヒリする」「かゆい」「何かが張り付いた感じ」などの違和感を自覚します。

この「イガイガする」原因としては、
  1. 物理的な刺激
  2. ウイルスや細菌等の感染
  3. アレルギー(ほこり・花粉・動物・食べ物など)
  4. ストレス・過労
  5. 胃酸の逆流

ウィルス・細菌

アレルギー

ストレス・過労

胃酸の逆流

咳喘息の「イガイガ」の原因は?

A 好酸球が気道の炎症を起こすためです

気道の周りには血液が流れていますが、その血液の中には、
  • 赤血球(酸素を体の隅々まで運搬する)
  • 血小板(出血した場所に集まって血を止める)
  • 白血球

という3つの細胞が流れています。この内、白血球は5種類に別れていて、それぞれ役割が異なります。
その中で、好酸球と呼ばれる白血球の1種が、気道にアレルギー反応を起こす重要な原因となっています。

色々な原因で好酸球が気道に集まってくると、好酸球は、細胞の中にある物質(顆粒)を放出し、その結果気道に炎症が起きます(気道の表面が、肌荒れを起こしたような状態)。炎症を起こした気道は、色々な刺激(冷たい空気、ほこり、タバコの煙、におい等)に過剰に反応して、(せき)、(たん)、あるいは、気道が狭くなって生じる息苦しさを感じるようになります。

なお、咳喘息の診断には、好酸球による気道の炎症が起きているかどうか?を診断することが重要となります。

Q どうやって診断するの?

A 問診・診察・レントゲン・呼吸機能検査・呼気中一酸化窒素の測定

咳喘息と診断するには、

  • 詳しい問診:これまでの経過、咳の出る時間帯・誘因の確認
  • 診察:聴診器で喘鳴の有無を確認
  • 胸のレントゲン写真:肺炎・結核・肺癌などレントゲンで影が映る病気を確認
  • 呼気中一酸化窒素(FeNO):好酸球が関連した気道の炎症かどうかを確認
  • 呼吸機能検査:気道の先端が呼気時に狭くなることを確認


当クリニックを受診される前に、一般内科を受診されて、簡単な問診と診察、そして特に検査を受けずに「多分、カゼでしょう」と診断されて、あるいは「病名については説明なし」で、抗生物質、咳止め、痰切れの薬を併せて5〜6種類処方されて、結局、咳が良くならず、当クリニックを受診される患者さんが、かなりお見えになります。

咳喘息と診断するためには、
  • 多くの咳喘息の患者さんを診察した経験に基づく詳しい問診・診察
  • 正確なレントゲンの読影による他の病気の除外
  • 呼気中一酸化窒素測定器による好酸球の気道の炎症の確認
  • 呼吸機能検査による気道の先端の収縮の評価
上記の4点は、何れも欠かせません。

「いつもに比べて咳が長引くなあ」「カゼの後のセキが良くならないなあ」と思った時には、咳の専門医である呼吸器内科を受診されることをお勧めします。

Q 治療はどうするの?

A 吸入ステロイドと気管支拡張薬の配合剤がイチオシ

咳喘息は気道の好酸球性(アレルギー性)炎症気道の先端の閉塞が特徴的な病気です。

吸入ステロイド薬は、気道の好酸球による炎症を改善しますが、その効果を実感できるようになるまで、3~5日程度はかかります。
「ジワジワ」と効いてくるため、「スッキリ咳が止まった」といった速効性を感じにくいのが、吸入ステロイド薬の数少ない欠点です。
その結果、この薬は効かないなあ...と患者さんが判断(過小評価)して中止してしまう事があります。その結果、咳喘息の根底にある好酸球による炎症を改善できないばかりか、気管支喘息への移行を助長してしまいます。

一方、気道の先端の閉塞を改善する吸入気管支拡張薬は、即効性で、吸入直後から「セキが軽くなった、良く効くね、このクスリは続けなきゃ!」と咳の改善を実感できます。
ただし、気管支拡張薬は、気道の好酸球による炎症に対しては、全く効果が無いため、気管支拡張薬だけで治療を続けると、好酸球による気道の炎症が悪化していきます。

そこで、好酸球による気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬と末梢気道の閉塞を改善する気管支拡張薬を一度に吸入することのできる配合剤が、咳喘息の治療薬として理にかなった(一石二鳥!)治療薬ということになります。

シムビコート

レルベア

アドエア

フルティフォーム



Q 治療しないとどうなる?

A 3人に1人が「本物の気管支喘息」に!

咳喘息の経過中に30〜40% が、気管支喘息特有の 喘鳴(ぜんめい)が出現し,典型的な気管支喘息喘息に移行します。
一方、診断早期から吸入ステロイド による治療を受けていた咳喘息の患者さんでは、気管支喘息への移行率 が著明に低下します。
標準的治療薬の吸入ステロイドと気管支拡張薬の配合剤による治療を開始すると、早い方では、1回吸入した直後から、また多くの患者さんでは、治療開始3〜5日後には咳の減少(自覚症状の改善)を自覚します。
2〜4週間治療を継続すると、ほとんどの患者さんが「もう咳は出ないね」「気になるほど咳は出ないね」といった状態になります。しかし、治療を中断すると少なからず咳喘息は再発します。

いつまで治療を続けたら良いのか?どんな人が治療を中断できるのか?などはよくわかっていません。
⇒詳しくは、咳喘息の治療についてをご覧ください。

咳喘息から気管支喘息へ進行した患者さんは、進行しなかった患者さんに比べて、身の回りのアレルギーの原因物質に関して、過敏に反応しやすい傾向(いわゆるアレルギー体質)があります。

咳喘息:気管支喘息への移行とアレルゲン
(京都大学呼吸器内科のデータより)

ダニ

イヌ

20分でアレルギーの原因物質を特定

咳喘息から気管支喘息への移行を防ぐためには、アレルギーの原因物質を特定し、それらを避けることが重要です。

血液検査によるアレルギーの原因検査では、採血をした1週間後に結果が判明しますので、2回目の受診の時にアレルギーの原因ならびに必要な対策を説明します。

しかし、仕事や家庭の事情等で、再受診が難しい方には、受診した当日にアレルギーの原因が判明する迅速診断(所要時間は20分)をお勧めしています。

※なお、迅速検査を希望される方は、電話でのご予約を必ずお願いします。

20分でアレルギーの原因が判明!

もっと知りたい【長引くセキ】について

  • 咳喘息の治療について
    「咳止めが効かない」「薬を止めるとまた咳がでる」こんな咳の治療でお困りの患者さんの悩みにお答えします。


これで解決!あなたのギモン

静岡県浜松市北区初生町381-2 交通アクセス
電話:053-430-5111
呼吸器・アレルギー専門クリニックです!
クリニック開院後、10,000人以上の呼吸器(気管支喘息・せき喘息・COPDなど)ならびにアレルギー(花粉症・食物アレルギーなど)の患者さんの診療に携わった経験に基づく「専門的な医療」を提供いたします。


気管支喘息は、なぜ、ゼーゼー・ヒューヒューするの?